イザイホウ(前編)。

渋谷の小さな映画館UPLINKで上映されている
「イザイホウ ー神の島• 久高島の祭祀ー 」を
見てきた。

12年に一度、馬年の旧暦12月頃に行われ
30代〜41歳の島民の女性が
正式に巫女として認められる
島で最も重要な祭祀と言われる。

1978年を最後に現在にいたるまで
行われておらず、映画はもう一回り前の
1966年の映像が収録されている。

沖縄本島から、約5km、周囲9kmの小さな島は、
当時の人口が約600人、現在は300人にも
満たないとも言われる。
実際に島へ渡り、道を歩くとめったに人にあうことはない。
農作業に出かける島のおばあや、
自転車で島内をまわる観光の方と
時折すれ違う。

女性は農業を、男性は漁業を生業にし、
映画ではガーと呼ばれる井戸に並んでバケツで
水を汲みにいったり、大きなザルに入った作物を
頭で支え歩くシーンが見られる。

今でこそ、水道パイプも本島からひかれる
大規模な工事があったからこそ、
現在はそんな風景を見る事はできない。

ガーに溜まっている少量の真水は、
どことなく、鉱物の味がする。
かつて禊をした後に五穀の壺がイシキ浜へと
流れついた伝説がある。

今も変わらない空気に数十年前の暮らしの
営みを見る事ができる。

渋谷の中心でイザイホウが上映されている
小さな映画館は、現代に生きる人々にとっての
ガーであり、懐かしき泉そのものである。

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2015-01-11 | Posted in エッセイNo Comments » 

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