イザイホウ(後編) 。

イザイホウの祭祀も映像に出ている部分を
見る限り、どこか以前体験したインディアンの
浄化と再生のセレモニー、スウェットロッジに
通ずる物があるように感じる。

スウェットロッジは、
結界が張られた火の中で高温に焼かれた石を
バッファローの胎内を象徴した布団がかぶさった
ドームの中央に入れ、サウナ状態となった暗闇の
空間で少人数で円を作り、
行われる伝統的なセレモニーである。

一緒に参加したメンバーの間に
血の繋がりを越えた家族のような一体感が生まれ、
父なる天に、母なる大地に生かされている事を
体感し、1人1人が世代を越えた祈りの紡ぎ人である
事を自覚する。

共通項のキーワードは主に、
「火」「遮断空間」「円」の3つ。

かつて薪で火をおこしていた生活は、
カマドが家の中心に置かれ、
トゥパシリと呼ばれる香炉が
島内の家の守護の象徴であった。

そして、スウェットロッジのドームの
前には結界が張られた火を起こす所が
あり、そこでセレモニーで用いられる
焼き石が大切に熱せられる。

次に「遮断空間」について。
スウェットロッジのドーム内も、
外部からの光が閉ざされ、焼き石の
上に散りばめられたセージの香りや
僅かに明滅する眩い火のつぶつぶによって
スピリットの普遍なる世界へとさそわれる。

一方島では女性たちが
七ツ屋(ななつや)と呼ばれる
2棟の茅葺きの建物に入り、一晩お籠もりをする。
その時はまだ幼い乳児であっても
立入りが禁止されている。
そこで祖母霊とともに一晩を過ごし、
大嘗祭の時に天皇陛下が新米を召し上がり
皇室の霊統が引き継がれる神人共食の儀にも
通ずる何かがある気がする。

外界を閉ざされた環境下では、
(もちろんそれに適した地場がある場所に
限られるとは思うが)
普段使っていないアンテナが開かれていく。

そして円形になって人が集う事は、
個人としてのわたしではなく、
わたしたちの意識を確立する。

祭場で数十人の女性が円になり、
風車のように周り続け、
歌声とともに収縮と拡散を繰り返す円形は、
女性の深遠な宇宙そのものだ。

お祝いのカチャーシーでは、
無事に巫女として認められた女性が
空間をも踊らせる 。
太鼓のリズムに乗った腕は
その昔産後の女性が精をつけるためにも
食べられていたイラブー(海蛇)のように、
波打っていた。

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2015-01-14 | Posted in エッセイNo Comments » 

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