カミヤツデ(紙八手)

 

カミヤツデ(紙八手)という植物をご存じだろうか。

 

 

ウコギ科の常緑低木で、台湾や中国が原産。

日本国内各地でも自生している。

茎を切ってもどんどん伸び、

高さ3mほどの長さにもなるそうだ。

葉も大きさも、人の上半身を包めるくらいの

「緑の手」だ。

 

以前、このカミヤツデの葉っぱで

染色をするワークショップに参加した事があり、

陽だまりの中で煮出す作業は、

煮汁の薫りに包まれるなんとも言えない至福感と、

植物に内在する色が光や火、水、人の手によって

現れる事に興奮を覚えた。

 

(↑カミヤツデで染めた布たち。)

 

和名表記は紙八手で、「紙」と書いてある通り、

この茎の髄の部分から、紙が作れるらしい。

「通草紙(つうそうし)」という名称。

(台湾では蓪草の表記。)

通用紙は、水中花(造花)、

水墨画や浮世絵の半紙など様々な用途があり、

台湾では、今から100年程前の日本統治時代に

伝統工芸産業として大きく発展したが、

現在は殆ど作られていない。

 

元々は、カミヤツデの筒で、

ディジュリドゥを作ってみたいというのが始まりで、

副産物が思わぬ賜物だった。

人々の手で暮らしに活かし、

ゆくゆくは伝統工芸の復活と、

日本の台湾のかけ橋になれたらという

直観が浮かんだ。

手探りでカミヤツデから紙を作る事に挑戦したいと思う。

 

2018-04-03 | Posted in エッセイ, カミヤツデNo Comments » 

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