カミヤツデ(紙八手)
カミヤツデ(紙八手)という植物をご存じだろうか。
ウコギ科の常緑低木で、台湾や中国が原産。
日本国内各地でも自生している。
茎を切ってもどんどん伸び、
高さ3mほどの長さにもなるそうだ。
葉も大きさも、人の上半身を包めるくらいの
「緑の手」だ。
以前、このカミヤツデの葉っぱで
染色をするワークショップに参加した事があり、
陽だまりの中で煮出す作業は、
煮汁の薫りに包まれるなんとも言えない至福感と、
植物に内在する色が光や火、水、人の手によって
現れる事に興奮を覚えた。
(↑カミヤツデで染めた布たち。)
和名表記は紙八手で、「紙」と書いてある通り、
この茎の髄の部分から、紙が作れるらしい。
「通草紙(つうそうし)」という名称。
(台湾では蓪草の表記。)
通用紙は、水中花(造花)、
水墨画や浮世絵の半紙など様々な用途があり、
台湾では、今から100年程前の日本統治時代に
伝統工芸産業として大きく発展したが、
現在は殆ど作られていない。
元々は、カミヤツデの筒で、
ディジュリドゥを作ってみたいというのが始まりで、
副産物が思わぬ賜物だった。
人々の手で暮らしに活かし、
ゆくゆくは伝統工芸の復活と、
日本の台湾のかけ橋になれたらという
直観が浮かんだ。
手探りでカミヤツデから紙を作る事に挑戦したいと思う。
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