竜舌蘭 ウッパマ編2

ー 戦いを終えたオリオンは、
ニブトゥイの水で喉の渇きを潤した。
柄杓から滴る一粒を
水滴と間違えたオリオンの使いは
1つの星を丸呑みした。ー

夜中に突然目が覚めて、
外に出ないと行けない衝動に駆られ、
寝袋をはいで、外へ通じるドアを開いた。

空にはシリウスが碧く光り、
オリオンの輪郭もくっきり浮かび上がる程に
鮮やかに輝いている。

寝泊まりしている所から歩いて2分もあれば、
竜舌蘭が生えている敷地へ行ける。
途中には、バナナジャングルが待ち構えていて、
台風で倒れた木を跨ぎ、吊るされたバナナに
ぶつかりながら、
暗闇のジャングル道を通り抜けた。

変わらずに竜舌蘭は、空に向けて伸び続け、
夜空を数多の星座が浮かんでいた。
特にオリオンやシリウスの
星々の瞬きがモールス信号のように
何かを伝えているように思える。

ふいに後ろを振り向くと、
北斗七星がまるで大きなタツノオトシゴが
立ち上がるかの如く、登り始めていた。
オリオン・シリウス、そして北斗七星が向かい合い、
その間には、竜舌蘭と私がいる。

ただただ見上げるしかない私の小さな目が、
竜舌蘭と北斗七星が重なる姿に焦点を合わせた時、
気がつけば日中に切り分けた竜舌蘭を担いで、
再び寝床に戻っていた。
誰も通らない東屋の屋根の下に、
竜舌蘭はそっと置かれた。

続く。

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